2018-01-01から1年間の記事一覧

『時をかける少女』をめぐる映画監督たち

細田守と大林宣彦の奇縁 今のところ9回にわたって映像化(そのうち映画は4回)されてきた『時をかける少女』だが、最初の映画化となった大林版『時かけ』(83)が与えた影響は絶大である。大きすぎると言っていい。実際、細田守版は、いかに大林版からの呪…

『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(第2回)たった一本の映画でその名を刻む伝説の映画監督になるには?

唯一無二の作品を撮ってしまった映画監督のその後 企画開始時に22歳、公開時は25歳だった監督の山賀博之。8mmの自主制作アニメという実績のみで、製作費8億円の劇場用長編アニメーションを監督するという壮大なプロジェクトを終え、興行こそは大きく振るわ…

『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(第1回) なぜ24歳の若者が劇場アニメーションの監督になることができたのか?

24歳の若者が製作費8億円の劇場用アニメの監督に 映画監督になる相応しい年齢はあるだろうか? 日本を例にとれば、映画黄金期の1950年代前後は、撮影所の時代である。大手映画会社の撮影所で助監督として数年間実績を積み重ねて、監督になる。年功序列な…