映画監督【あ行】

『柄本家のゴドー』☆☆☆★★

映画『柄本家のゴドー』予告編 十数年前のある夜、中央線沿線のミニシアターでピンク映画のオールナイトを観ていた。何本目だったか、場内が暗くなって上映が始まる直前に中年とおぼしき男が隣に座った。おそらく、終電を逃した男がオールナイト上映を見…

『マルサの女』(第2回) 伊丹映画と幻影の撮影所

伊丹映画のエロス、原点はロマンポルノにあり 伊丹映画と言えば、かつてはゴールデンタイムの映画番組では、ジブリ、『男はつらいよ』シリーズと並ぶ定番だった。特にフジテレビ系列の『ゴールデン洋画劇場』での放送が多かったと記憶するが、筆者は小学生の…

『マルサの女』(第1回) 金と流行語と女

映画監督・伊丹十三 伊丹映画と若い世代に言っても、伝わるかどうか心もとない。伊丹十三が亡くなってから20年が過ぎると、『あまちゃん』の夏ばっぱや『ひよっこ』の鈴子を演じる宮本信子の夫が伊丹十三だと説明した方が通りはいいかも知れない。 伊丹映…

『タンポポ』(第2回) 伊丹映画のハリウッド進出顛末記

アメリカでヒットした異色の日本映画 伊丹十三のデビュー作から3作目までの絶好調ぶりを、『キネマ旬報』のベストテンのランキングと、配給収入の数字から見てみると以下のとおり。 『お葬式』(『キネマ旬報』ベストテン1位/配給収入12億円) 『タンポ…

『タンポポ』(第1回)最も作りたかった映画を撮るために

youtu.be 伊丹十三がいちばん作りたかった映画 初監督作『お葬式』(84年)で、一躍映画監督として脚光を集めた伊丹十三。それまで『北京の55日』(63年)などの海外の大作に出演する国際俳優、エッセイスト、テレビタレントとして知られてきたが、日本では…

〈俳優・坂本龍一〉の軌跡 (第2回)

幻の主演映画『ハリウッド・ゼン』 『ラストエンペラー』以降の坂本龍一の俳優活動は、現段階では『ニューローズホテル』(98年)のみである。この作品で坂本は、銀縁眼鏡で冷徹な大企業の役員を演じているが、顔出し程度の役で特筆するほどではない。それよ…

『一万年、後....。』☆☆☆★

『一万年、後....。』(映画美学校第一試写室) ☆☆☆★ 2007年 日本 YYKプロダクション カラー ビスタ 77分 監督/沖島勲 脚本/沖島勲 出演/阿藤快 田村勇馬 遠藤恵里 下杉一元 松川新 洞口依子 『YYK論争 永遠の“誤解”』から8年ぶりとなる沖島勲の新作が…